パン屋になりたい、できればメロンパンの

音楽、バンドについて語らせて

4.「往生際」yonige

 

第4回はチャットモンチーつながりでyonigeの「往生際」について。

 

yonigeとは

 

2013年結成。牛丸ありさ(Vo&Gt)、ごっきん(Ba&Cho)の2人からなるバンド。(公式HPより)

 

有名曲は「アボガド」「リボルバー」などである。影響を受けたバンドは「チャットモンチー」「ハヌマーン」などである。

 

今回紹介する「往生際」という曲は、2019年にシングルとして配信限定リリースされ、のちに「健全な社会」というアルバムに収録された。なんとこの曲は元チャットモンチーのあっこがプロデュースしている。ほとんど5拍子でベースの繰り返されるリフを中心としドラムも重いビートを刻み曲全体に重々しいムードが漂っている。イントロやAメロではギターは最小限しか鳴ってなく落ち着いた感じである。そしてサビを経て後半に進むにつれ、ギターの音数は増えBPMも速くなり盛り上がったところでまた落ち着いたアウトロを迎えるといった構成だ。このような重い感じのリズム隊が引っ張るような曲がシングルになったのはバンド史上初めてだと思う。

 

yonigeはこの曲の前のアルバム「HOUSE」までは、割と正統派なイントロから最後までしっかりギターが鳴っていてライブで盛り上がれるような曲が多かった。「アボガド」「リボルバー」「さよならプリズナー」「ワンルーム」など。サークルでコピーされがちなのもこの辺の時期の曲。しかし往生際あたりから渋い感じの落ち着いた曲が増えていった。私にはこの時期の暗めのyonigeが一番刺さった。そんなバンドのモードは歌詞にも表れている。

 

yonigeは元々恋愛をテーマにした身近な歌詞がほとんどであった。上にあげた曲も例に漏れずそうである。しかしこの曲はそうではない。

 

「健全な社会」というアルバムのタイトルにも表れている通り、社会のことを歌っているような歌詞が多い。この往生際は社会のどうしようもなさ、やるせなさが表わされていることがPVからも感じられる。作業所で撮影されたドラマ仕立てのもので生きていくことの無力さが表現されている。「酷いことは起きない 日々はただ 過ぎていくだけで」「さよならはいつも音もしないまま 何を失くしたか気づくこともできず」と日常、そして社会のリアルを歌っている。このアルバムがリリースされたのは2020年5月でちょうどコロナ禍初期である。私は当時高3だったが厳しい外出自粛によってどこか気持ちが暗く沈んでいた。頑張っていた部活の大会もなくなってしまった。そんな時にこの曲の「暮らしの中にはきっと山も谷も無く」といったフレーズが沁みた。当時そんな状況もありこのアルバムを聴きまくっていた。

youtu.be

 

完全に個人の感想だが、この曲の歌メロがなんとなく、さよならポエジーの曲に似てるのではと感じた。特に「二月の中を / February」「calmapart」らへん?往生際をポエジーにカバーしてほしい、めっちゃいい感じになりそう。両バンドのvo.gt.である牛丸ありさとオサキアユには親交があり、ラジオで対談もしている。さよならポエジーも社会のどうしようもなさや諦めを歌詞にしていて対談でもその事について話している。どちらか一方でもファンなら絶対に対談聴いた方が良い。その点からも似てると感じたのかもしれない。

youtu.be

 

最後まで読んでくれた人ありがとうございます。筆が止まらず困っております。