パン屋になりたい、できればメロンパンの

音楽、バンドについて語らせて

2.「Girl meets NUMBER GIRL」きのこ帝国

Amazon.co.jp: 渦になる: ミュージック好きな音楽についてひたすら語りたいブログ、第2回はきのこ帝国の「Girl meets NUMBER GIRL」について

 

まずきのこ帝国とは

 

きのこ帝国(きのこていこく)は、日本のロックバンド。2007年に結成され、2015年にメジャーデビューした。

2019年5月27日をもって活動休止に入った[1][2]。(Wikipediaより)

 

有名曲は「クロノスタシス」「金木犀の夜」などである。影響を受けたバンドはNUMBER GIRLフィッシュマンズなど

 

このバンドにハマった経緯は高1の頃YouTubeで新しく聴くバンドを探している時に代表曲の「クロノスタシス」をたまたま発見したからである。その時はなんとなく「おしゃれなバンドだなー」ぐらいに思いながらも興味を持った。他の曲を聴いてみると初めに持った「おしゃれなバンド」という印象はいい意味で裏切られた。その中でも当時の自分に一番刺さったのが今回のテーマ曲である「Girl meets NUMBER GIRL」である。

 

まずタイトルから、「Girl meets NUMBER GIRL」と「Girl」が二回も出てくる不思議なタイトルである。直訳すると「少女はNUMBER GIRLに出会う」である。NUMBER GIRL(以下ナンバガ)は言わずと知れた後世のミュージシャンに多大すぎる影響を与えまくったバンドである。作詞作曲をしている佐藤千亜妃ナンバガの解散ライブ(2度目)に行っておりナンバガのコアファンであることが分かる

 

つまりタイトルの「Girl」は佐藤千亜妃自身であるのだ。

 

この楽曲やきのこ帝国というバンド自体がナンバガの影響を強く受けている。イントロのギターの「じゃーん」とならす感じや曲終盤のリードギターのオクターブ奏法を用いた激しいプレイ、ベースのピック弾きのゴリっとした音色でルートを刻む感じからナンバガを感じることができる。まずきのこ帝国のメンバーが使っている機材からもナンバガの影響を見る事ができる。vo.gt.の佐藤が使用するテレキャスターはいわずもがな、gt.のあーちゃんが使っているジャガーはジャズマスに似てるしba.の谷口滋昭が使っているアンプは中尾憲太郎と同じGALLIEN-KRUEGERのものである。随所からナンバガの影響が見受けられるきのこ帝国は決して初めに抱いた印象の「おしゃれなバンド」だけでは片づけられないオルタナで超かっこよいバンドなのである。特に初期(渦になる~ロンググッドバイ)においては顕著である。そんなきのこ帝国のロックで時にシューゲイザーな部分に当時高校生だった私は強く惹かれ、聴きまくった、

 

次にこの曲の歌詞について、「閉ざす/窓を開けてバスを揺らすよ」「壊せ 365日 白けた通学路」「壊れそうで壊れない日々」と青春時代の孤独な鬱屈とした感情を持った少女の歌である。どこか鬱屈とした感情を抱えたりした高校時代の自分と重なる。しかし「耳を通って脳に青が刺さる」「走れ 突っ切って 脳ハウれ 青の音と」と、少女はバスの中でNUMBER GIRLを聴くのである。歌詞の中で何度も出てくる「青」はナンバガのインディーズ1stアルバムの「SCHOOL GIRL BYE BYE」のジャケットにも使われた青春を歌うナンバガを象徴する色である。そして「はやく Take me away Take me away」「
はやくはやくはやく 連れ去って」と焦燥に駆られたような歌詞が続く。バスの中で少女が一人ヘッドホンでナンバガを聴き何か感じる、という情景がはっきりと浮かんでくる。

私は高校時代自転車通学だったが、雨の日はバスで通学していた。その時に必ずイヤホンで音楽を聴いていた自分と重なる。余談だが移動手段の中でバスが一番孤独であると私は思う。田舎のバスだったのでめちゃくちゃ狭く閉じ込められてる感じだった。開放的な自転車通学に比べて学校に行く時の気分は激重であった。バスが嫌すぎて土砂降りの中自転車に乗り転んで泥んこになった事もあった、、この曲を聴くとそんな精神的に複雑であった高校時代のあの感じが蘇る、、、

 

曲、アレンジからも語りたい。イントロやaメロで用いられているCmaj9の1弦開放→Gのコード進行が印象的で好きである。第1回の「17才」も同じであるがギターはCmaj9を「じゃーん」と鳴らした時が一番気持ちいい。またきのこ帝国のほかの曲(夜が明けたら、ラプス等)でも見られるが、ドラムが初めの方では手数も少なく割と大人しめのプレイだが曲の後半にかけて手数がめちゃくちゃ増えて曲自体も大きく盛り上がっていく構成である。この構成大好き。NUMBER GIRLを聴いた少女の焦燥感が見事に表されている。ベースも基本ルートだが時々動くところがありとてもかっこいい。きのこ帝国のベースの人は支える部分と目立つ部分のメリハリが本当にすごいと思う。

 

最後まで読んでくれた方ありがとうございます。期末レポートはまだまだ終わりませんが頑張ろうと思います。